台湾には日本時代からの建築物が多く残っていますが、ここ台南にもたくさんあります。
その中でも、今回紹介する林百貨は、赤崁樓(ツーカンロウ:Chì kàn lóu)、孔子廟(コンツーミャオ:Kǒngzǐ miào)と並んで、観光で台南に来られるなら必ず行くべきスポットです。
街の中心部に構えるそのレトロな趣は台南のシンボルの一つとして存在しています。
日本統治時代に創立された林百貨
名前が指し示す通り、林さんが作ったデパート(百貨店)です。
台湾には林さんと書いて「リン」と呼ぶ苗字の人は沢山いますが、こちらの林さんは我々が思い浮かべる「はやし」さんです。
林百貨の呼び方はリンバイフオ(Lín bǎihuò)です。
林百貨は山口県出身の林方一さんが日本統治時代の1932年に開業をしました。
当時5階建てエレベーターが存在する建物は、台湾では台南の林百貨と台北の菊元のみで、近代文明の象徴とも言われました。(菊元は戦後解体)
現在では台南にはたくさんの建物が建ってしまいましたが、当時はその屋上から海に太陽が沈む姿が見えたとのことです。
戦争の空爆で一部損壊したものの、その後は塩の貯蓄倉庫、警察の派出所などとして使用されておりました。
しかし、その後1980年から2013年までの約30年間放置されていました。
30年も放置された建物はさぞかし傷んでいたと思われますが、2013年に台南市が歴史上の遺産としてこのデパートの改修作業を行い、2014年リニューアルOPENをしました。
街の中心でもあったこちらの交差点の向かいには、当時から現在も使われている大きな銀行もあります。
当時は日本勧業銀行台南支店という日本の銀行でしたが、現在は土地銀行という台湾の銀行です。
林百貨の内部は物産展
改修しOPENした林百貨は百貨店とは言いながらも台南物産展といった店内となっております。
一階にはお土産になるパイナップルケーキ、お茶、ドライフルーツなどが売られております。
入ってすぐ左にはパイナップルケーキの棚があります。
時期によっては可愛く装飾されたものなどが置いてあります。
他にも、お茶やお菓子、パッションフルーツなど台湾のフルーツで作ったジャムなどもありますね。
台湾でおなじみのお茶屋さんもあります。
4階にはカフェもあります。
こちらがエレベーターです。
エレベーターの上部のメーターのような階表示が当時の趣を残します。
とはいえ、改修されたことにより普通のきれいなエレベーターです。
ただし、当時のサイズ感で作られているので、中は非常に狭くなっています。
混んでいるので、使用される場合は1階と5階の往復のみで使用されることをお薦めします。
途中の階には停まれません。
階段の途中にはこのように、時計や椅子が置かれていて明治時代のような雰囲気を演出しています。
ところどころにこのような注意書きがあります。
日本と同じように、昔の建物は天井が低いんですねー。
2-4階では、地方で作られた民芸品や服などが売られています。
可愛い小物なんかも多いので旅の思い出を探すのに良いかもしれませんね。
屋上に出ることもできます。
屋上にもちょっとした軽食ができる飲食店やお土産屋さんがありますね。
5階建ての屋上なので、そこまで高くはありませんが、台南の街がよく見えますよ。
ペニープレス。お金をつぶして思い出にできるやつですね。
なんと林百貨の屋上部には鳥居が建てられていたようです。
一部損壊したまま現在も残されています。
鳥居なので、神社。日本の文化ですね。
こちらから沈む夕日が見ることができました。
これができた当初はこの鳥居から海に沈む夕日を眺めたのでしょうか。
夜も輝く林百貨
夜はこのように光り輝く姿が見えます。
近くを歩いた時にふと現れる林百貨の雄大な姿に思わず足を止めて見惚れてしまいます。
台南に来たらぜひこの日本時代の建物の中で思い出の一品を探しに来てみてはいかがでしょうか。
営業時間 11時00分~22時00分
住所 台南市中西區忠義路2段63號